○ 冬枯れの雑木林と池や沼
夕暮れの低湿地、ハンノキ林と池や沼の様子です。木枯らしの吹く水辺では、マガモやコガモなど、日本で冬を越すために北の国から渡ってきた冬鳥が羽を休めています。
昔から、雑木林のコナラは薪(まき)や炭として用いられてきました。切ってもまた切株から新しい芽を出すため、一つの株からいくつもの幹が育っています。落ち葉は畑の肥料としても重要でした。人々の生活に役立ってきた雑木林は、人の営みによって維持されてきた自然といえます。林内には、アズマネザサや常緑(じょうりょく)のヒサカキがみられます。
○ みどりのこい夏のアカマツ林
夜明け前のアカマツ林の様子です。アカマツの下にみられる背の低い樹木は、平地(左側)と山地(右側)で種類が異なります。平地ではヤマツツジやエゴノキが、山地ではミツバツツジやリョウブがみられます。
林内ではキツネが立ち上がり、いまにもネズミに飛びかかろうとしています。食うものと食われるものの関係です。イノシシは台地から丘陵、低い山地にかけて生息し、時には人家近くにも現れて畑などをあらします。
山地の岩の露出した尾根などには自然のアカマツ林もみられますが、台地や丘陵のアカマツ林の多くは、燃料や建材のために人の手によって維持されてきました。現在はほとんど利用されなくなったので、松枯れや遷移(せんい)の進行によって、コナラや常緑樹の混じった林に変化しているところが多くあります。
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